オリンピックは大失敗だった
オリンピックは結局のところ、中止にならずに最後までやるようだ。
開催よって一部の人たちが一時的に盛り上がりはしたものの、終わってしまえばコロナが感染爆発している現実と向き合わなければならなくなる。
オリンピックなぞ、しょせんはたった2週間程度の祭りでしかない。
祭典に酔って一時の憂さ晴らしをしていた人たちほど、覚めた時に現実とのひどい落差に失望し、よりいっそう気落ちするのではないかと懸念される。
聞くところによると、アメリカのテレビ局が放映権に大枚をはたいたものの、視聴率がふるわず、広告主たちに補填をすることになってしまっているのだそうだ。
猛暑であるにも関わらず、夏に開催されたのは、その方がアメリカでの放送に都合がよいからだ、という推定がなされている。
アメリカはこの時期に大きなスポーツイベントがないので、オリンピックを放映するのにうってつけの時期なのだとか。
選手たちを苦しめてまでして夏に開催したのに、結局視聴率が取れなかったというのは、なんとも皮肉な話である。
ところで、オリンピックの評判が悪くなったことで、トヨタはオリンピック向けに用意したCMを取り下げている。
また、コカ・コーラは聖火リレーにかこつけて宣伝行為を行い、かなりの反感を買った。
私がTwitterでフォローしている人はコカ・コーラが大好きだったのだけど、この件以来、すっぱりと飲むのをやめたそうだ。
日本の組織委も無観客になったことで数百億円の収入を失っている。
つまるところ、経済的な面で見てもオリンピックは大失敗だったといえる。
そしてオリンピックを開催したことで、国民の気の緩みを招き、それが現在の感染爆発につながったことは、まず間違いないだろう。
定量的に実証しろと言われたら困難だが、もともと日本の感染対策は自粛ムードを演出することによって成り立つあやういものだったのに、オリンピックという祭典を開いて楽観ムードを醸成すれば、対策の効果が大きく薄れてしまうことは自明である。
そもそも、デルタ株が7月中旬から本格的に広まる可能性が高いことは、6月の時点で専門家から指摘されており、にも関わらずその一番大事な時期にオリンピックの開催を強行したのは、愚策であったとしか言いようがない。
そして実際に感染は大きく拡大し、連日過去最多を更新し、医療崩壊が避けられない状況にまで追い込まれている。
3兆円とも言われる巨額の費用を投じてオリンピックを開催し、あげくに多くの国民が生命の危機にさらされる自体を招いた。
これほどの悲惨で間抜けな話は、なかなかないだろう。
唯一得をするのは、巨額の放映権料をせしめるIOCで、彼らの利益のために、その他の者たちは、取り返しのつかない莫大な損失を負うことになったのである。